『築道』プロジェクト企画書

020805 一部改定

作成:大阪市立大学中谷ゼミナール 中谷礼仁/北浦千尋

参考文献:住まいの先生

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contents


はじめに

今までの家造りと築道

日々の授業風景

築道の精神

導入開設に伴うメリット

家に対するQ&A

具体的な方法

他への展開


■はじめに

現在、住まい造りをサポートする機関として、工務店、ハウスメーカーそして建築家が考えられます。それらの機関のもつ役割とは、施主の住まいづくりを支えることです。つまり、施主が住まい造りに関する知識と技術を持ちあわせていれば、そのような第三者的立場の介入する余地はありません。
しかし、現実問題としては、時間、知識、技術などを考慮すると、施主一人の力で住まいづくりを完結させることは困難です。
そこで、住まいづくりをサポートする機関が必要となるわけですが、はたして、現在のシステムが最良だと言えるのでしょうか。

そこで、一般の家主を対象とした建築術を教える教育機関として『築道』なるものを設立し、広く一般門下生を募り、建築が特別なことではなく、花嫁修業と同じように定着すべく布教ならぬ、布道をしていくことを提案します。

それにともない、建築家の果たす役割(の一部分)は肩代わりされ、その機関で行われることは、正しい知識を教えること、そして自分のセンスに自信を持たせることとなります。
また、施主を教育することによって、無秩序な住宅の乱立を防ぎ、住まいづくりに関するトラブルを減らすことになります。建築家にたのむべき芸術的な家ももちろんあります。でも、ほとんどの人たちは、かっこいい家が欲しいのではなく、「ちゃんとした」家が欲しいのです。『築道』はそのような施主の要求に応えてくれるでしょう。

 

●住まいづくりの流れ

 

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■今までの家造りと築道

「家を建てたい(改築したい)」と思ったとき、工務店やハウスメーカー、建築家に頼む例がほとんどでしょう。なぜなら、施主一人の力で家造りを完結させることは、技術、知識、時間の面で困難だからです。しかし、それで本当に望んでいる家が実現するのでしょうか?

自分の家を建てたいが、知識と技術がない。

→でも、知識と技術は学ぶことができます。

つまり、効率良く正しい「家づくり」に関する知識を身に付けることが出来る機関があれば、この問題は解決できます。
そこでわたしたちは、
を学ぶ機関として、『築道』なる実践を提案します。
『築道』とは、従来の家造りという考えではなく、『築道』を習うことにより、家造りに必要な知恵、知識、モラルを得ることができます。

家造りを他人任せにするのではなく、自らが家について学ぶことにより、自分にも、社会にも適応した家を手に入れることができます。

 

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■日々の授業風景

実際の授業のイメージはとりあえずこんな感じ…

《日常篇》
場所は築道のお師匠さんの家
お師匠さんは別に正業を持っている。
子供から老人まで、5人ほどが定期的に通っている。
遠隔の人は通信指導の場合もある。
月謝制

生徒は自分の思い描く家のマンガをお師匠さんの机へさしだす。
お師匠さんは、おもむろに朱の筆を手にして、やってはいけないこと、必ず
支障が出る部分について、そのマンガに線を引く(すべきことを教
えるよりもやってはいけないことを教えるのである)。
生徒は朱書きされた添削図面を持ち帰り、その意味を考えレポートにまとめる。
よくわかったらその通りトレースを行う。
これをくり返す。
基本的な線から、高度な趣味判断に至るまで段階的に教えを受ける。

 

《レクチャー篇》
たまにいろいろな師匠が巡回して、
臨時の講座を行う。
師匠さんは、生活文化研究家、建築家、大工、工務店、ゼネコンのOB、学者など様々
師匠さんは、自分のいったことに責任を持つから、大工の師匠が「釘を使わない家が造れる」といったら、生徒が家を作るときにもし頼まれても否といえないこととする。
このようにして、家造りのネットワークが自然と組まれる。
《見学篇》もあり

 

《免許皆伝篇》
築道では自ら家を造ることはあまり推奨しない。それよりも施主が、責任を持って町場の建築生産者(工務店、ハウスメーカーなど)にじぶんのしたいこと、家のあるべき姿を伝えられ、操作できるような状態
にさせることが目的である。
自分で引いた図面をもとにして、築道で得た様々な知識を駆使し、他者と家を造る。
それができたら、免許皆伝の資格を持つことになる。
手続きを経て、築道本部から免許皆伝が許されれば、自らの作った家が、次の生徒のための教える場所となる。

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■築道の精神

築道では家造りにひつようなあらゆる知識を提供します。
一般的に家造りというと、新築のみを思い浮かべがちですが、築道では、下記の五原則を中心とする建継ぎの精神を核におきます。もちろん、増改築に限らず、新築にもこの精神はあてはまります。

 

●建継ぎ道の五原則

資材性
事物の詩的状態が建て継ぎ成立の条件である。
ティポロジア
建て継ぐ要素をいかに決めるか。
セベラルネス
転用には正当な基準があり、その解法は複数だが有限である。
弱い技術
建て継ぎに見合った技術は特有の弱さを持っている。
新しい公性
建て継ぎには未来への企図-新しい 公性-を含むべきである。

 

これらを基本に、より無理なく、より快適に、暮らせるような住居を自らの手でつくりだし、また、それが可能であるということを世間に知らしめることを目的とします。
そして、住まいづくりにおける無駄を整理し、誰もがすまいづくりに参加できるような基盤を形成します。また、さらなる展開として、そのような情報を発進していく拠点をつくっていきます。
だれもが物に興味をいだき、今あるものを受け入れ、展開させる能力を手に入れたなら、今と違った景色になるかもしれません。

 

●あるものを上手に使う
現状のコンテクストを読み込み、分析し、最適な解決方法を実践する。

 

 

●公共性の挿入により、独りよがりなデザインにしない。
そのためには認定者(指導者)が必要である。

 

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■導入開設に伴うメリット

・施主の経済的メリット
家づくりのソフト面を知ることにより、家造りという経済活動のプロセスに介入できる。

・自ら律する
今までは、建築家にまかせるか、自ら大変な苦労をして建築を学ばなければならなかったが、より効率良く、高度な教育が受けられるようになり、家造りに自らが参加することが容易になる。

・社会的貢献
自分の欲望だけで家づくりを行うのに比べ、周りの情況を読み込み、より適した設計を行うことによって、社会的にも有用な資源としての建築を建てることができる。

・有用な資源の確保
無秩序に、そして無能に今まであったものを取り壊すのではなく、現状をうまくりようする術を身に付けることによって、未来にむけても、有用な資源を残すこととなる。

・理解して住む
他人任せの家づくりにくらべて、自らが理解して住むことにより、より住みこなすことができる。また、施主が施工が側に歩み寄ることによって、工事の際のトラブルも少なくなる。

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■家に対する Q & A

Q1. 家は誰のものですか?  

   A.誰のものでもありません。
家の所有者や用途、かたちが替わっても、存続を望まれるかぎりは、家はあり続けます。

Q2. オフィスと家はどちらが大きいのですか?

   A.明らかに家の方が大きいはずです。
オフィスは限られた目的によって作られます。それに対して、家の機能は限ることができません。

Q3. 家造りは何故楽しいか?

   A.自分が自分以上のことを達成してしまう驚きがあるからです。
単純な住まい造りのうらに、実は膨大な文化が隠されているのです。

Q4. 家づくりに建築家は必要か?  

   A.原理的には必要ありません。でも、先生と呼び得る存在は必要です。
自分一人で家を造ることを学ぶのは大変です。
しかし、ここで提案する築道を身に付けることにより、建築家なしでも家造りをコントロールすることができます。

Q5. 門下生は自分で家造りのすべてをしなければいけないのですか?  

   A.築道は、単純なセルフビルドに反対します。
むしろ、様々な人びとに協力してもらい、考えを共有することを美徳とします。そこに家造りの文化が存在するのです。

 

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■具体的な方法

●教育のシステムについて
『築道』では「教える人」と「教えられる人」という立場が存在します。これは、お茶やお華をならうときと同じです。「教える人」には、「建築家」、「学校の先生」、「大工」、「工務店社員」などがいます。彼らにはすでに知識や経験があり、家を建てるのに役立つ情報を与えてくれるでしょう。しかし、「教える人」は彼らだけではありません。教えられる立場に立った、これから学ぶ人たちも、ゆくゆくは「教える人」となってゆくのです。ちょうど門弟が免許皆伝して自らが弟子をとるように、家を建てるという行為は受け継がれてゆきます。ちょうど家を建て継ぎ、住継いでゆくように。建てられた家が、新しい先生の教室になるのです。

入門 → 鍛練 → 自分の家を設計する → 「教える人」となる

 

●築道カリキュラムカテゴリー

 

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■他への展開

●情報の発信
築道の目的は、施主を教育(一般に建築的知識を広める)することが第一目標ですが、そのためには情報交換の場というものが必要となってきます。
そこで、道場では建築的知識を教えるだけでなく、住まいづくりにかかわる情報交換の場を提供していきます。

・他の機関とリンクさせることによって、情報を充実させる。
・工務店とのネットワークの確立
・大学(市大)の有効利用
・Webサイトや、雑誌とのリンク

●コースの充実
少しでも多くの人が建築的知識を身に付けられるように、様々な目的にそったコースの充実がのぞまれます。

・短期集中コース(1年)
・教養だけを身に付けるコース(2年)
・免許皆伝コース(?年)
              などなど

 

 

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